ISM Virtual 2021 "SMX Advanced & MozCon Virtual Recap" 開催レポート

こんにちは、ISM 実行委員の高野です。

今回は 2021 年 8 月 27 日に開催したオンラインイベント ISM Virtual 2021 と、9 月 8 日にイベント参加者限定で開催したアフタートークのレポートをします。


ISM Virtual 2021 で語られたトピック

今回のイベントでは、昨年の ISM Virtual 2020 に引き続き、アユダンテ社 SEO コンサルタントコガン・ポリーナさんが直近で参加した海外カンファレンス「SMX Advanced」と「MozCon Virtual」から、注目のトピックを共有いただきました。

毎年 SEO 業界で注目される両イベントで語られた重要なトピック、それに対する海外の SEO 担当者の反応、コガンさんの考察など盛りだくさんなコンテンツです。


MozConとSMXについて

まずは両イベントの紹介から。

SMX Advanced

主催:Search Engine Land & Marketing Land

  • SEO と SEM の大規模カンファレンス
  • 今からでも $249 でオンデマンド視聴と資料ダウンロードが可能

公式サイト

MozCon Virtual

主催:Moz

  • SEO に特化した大規模カンファレンス
  • こちらも $169 でセッション動画の詰め合わせを購入可能

公式サイト

MozCon Virtual のほうは英語字幕があるそうですし、SMX Advanced は資料のダウンロードができるので、リスニングに自信が無くても挑戦しやすいですね。

また、登壇者によってはスライドを Twitter で配布してくれていたりもするので、ハッシュタグを追うだけでも何か気付きが得られるかもしれません。


コガンさんによると、今回の両イベントでは以前から話題になっているトピックがほとんどだったそうです。

海外の SEO 専門家たちが何を重視して、リソースを配分しているのか、これ以降でコガンさんが語った内容からも感じ取ることができました。


アルゴリズムアップデートとE-A-T

まずは直近で起こった主要なアップデートの振り返りから。


パッセージランキング

2021 年 2 月 10 日

パッセージ(文節)を理解することで、今まで埋もれていた回答を提供。

  • 現在は米国、英語のみ
  • メインテーマではなく、サブテーマでもヒット?
  • 見出し構造に関わらない
  • SEO の対策に関わらない
  • 強調スニペットのチャンス?

→ 参考になる記事:How AI is powering a more helpful Google


商品レビューに関するアップデート

2021 年 4 月 8 日

高品質のレビューサイトを評価する、検索ランキングの改善。

  • 現在は英語によるレビューのみ
  • コアアップデートではないが、同様の動きも
  • コアアップデートで落ちたサイトの復活事例あり
  • Discover への影響も?

→ 参考になる記事:Google の商品レビューに関するアップデートについてクリエイターが知っておくべきこと


コアアルゴリズムアップデート

1 回目:2021 年 6 月 2 日 / 2 回目:2021 年 7 月 1 日

年に数回実施される、Google の検索アルゴリズムとシステムの大規模な変更。

  • アップデートは全世界で同時
  • 大きい方向性は以前と同様?
  • 以前と異なり、コア アップデート間の回復も?

→ 参考になる記事:Google のコア アップデートについてサイト所有者が知っておくべきこと


アップデートの影響と E-A-T

E-A-T とは

  • Expertise = 専門性
  • Authoritativeness = 権威性
  • Trustworthiness = 信頼性

の頭文字を取った略称で、Google の検索品質評価ガイドラインに記載されている、コンテンツ評価の基準の一つです。

特に権威性については、他のシグナルよりも優先されがちなテーマがあるとのこと。

YMYL(Your Money or Your Life = ユーザーのお金と健康に影響するテーマ)のサイトで順位に大きく影響します。

技術的に、あるいはコンテンツが最適化されたサイトにおいても、YMYL のトピックでは E-A-T の課題による下落のリスクがあるというのは怖いですね。


E-A-T 関連の注目トピック

  • E-A-T で落下しやすいコンテンツ
  • コアアップデートと別な E-A-T 関連の順位変動

コガンさんのセッションでは上記のトピックにも触れていましたが、こちらはネタバレになりすぎるので参加者限定とさせてください。

代わりに、E-A-T において参考になる記事を紹介します。

まずはコガンさんも触れていた、コアアップデートに関する Google 公式ブログで紹介されている記事です。

品質評価ガイドラインと E-A-T について」というセクションで、海外の SEO 専門家による E-A-T の解説や事例の記事が紹介されています。

私からは、上記のブログやコガンさんのセッションでも取り上げられている Lily Ray さんによる解説記事も紹介します。

→ E-A-T: Expertise, Authoritativeness, and Trustworthiness


Needs Met を意識する

Needs Met とは、検索結果においてユーザーが目的を達成できているかの基準で、Google の外部協力者が検索結果の品質を評価する際に利用されます。

こうした検索結果の評価を取り入れて、アルゴリズムの改善が行われる点について、コガンさんのスライドでは以下の動画が紹介されていました。

一方で、コガンさんからは、Needs Met より権威性が優先されるテーマもあるという点も語られていました。


コアアップデートで下落するリスクを防ぐためのアクション

コガンさんのスライドで推奨されていたのは、コアアップデートに関する Google 公式ブログに記載されているコンテンツ評価のための質問集と、いくつかのコンテンツやサイトの情報を明示化して透明性を高める手段です。

セッションでは E-A-T 関係で下落しやすいコンテンツの特徴も紹介されていましたが、その逆になるようなアクションが必要ということですね。

後述する、Clubhouse で行われたアフタートークでもコガンさんの回答に通底していたのは、この点だったなと感じています。

第三者など誰が見ても上記の質問集に「はい」と答えられる状態を作れると理想ですが、インハウスの場合だと社内の状況にも左右されるので、コントロールしづらい課題もありますよね。


Core Web Vitals

Core Web Vitals(ウェブに関する主な指標)とは

  • LCP(最大のコンテンツの描画)
  • FID(初回入力の遅延)
  • CLS(累積レイアウト移動)

の 3 つで構成される、Google が定めたウェブサイトの使いやすさを測る指標です。

この指標がどのように選定されたのかは、Google 開発者ブログの記事が参考になります。

→ Web Vitals を支える科学

2020 年 5 月に Google の公式ブログでランキング要素の一部として利用されることが発表されてから、Core Web Vitals についての話題が増えました。

(通称:ページ エクスペリエンス アップデート)

より快適なウェブの実現に向けたページ エクスペリエンスの評価


ページ エクスペリエンス アップデート

2021 年 6 月 15 日:開始 / 2021 年 9 月 2 日:完了

  • 要素は Core Web Vitals だけではない
  • 今はモバイルが対象
  • いずれデスクトップでも評価されるようになる
  • 順位への大きな影響はないはず

このアップデートを通じて、特に新しい要素である Core Web Vitals については、Google から事前に多くの情報が発信されています。

  1. ページ エクスペリエンスの更新に対応するための期間、ツール、詳細情報
  2. ページ エクスペリエンスの Google 検索結果への影響について
  3. コアウェブバイタルとページエクスペリエンスに関するFAQ

コガンさんのセッションでは、過去の HTTPS やモバイルフレンドリーのように、アップデートを通してウェブ全体に影響を与えようとしているという海外の意見も紹介されていました。


ページ エクスペリエンス シグナルへの対応状況

現在、ページ エクスペリエンス シグナルは以下の要素で構成されています。

  1. Core Web Vitals(ウェブに関する主な指標)
  2. モバイルフレンドリー
  3. HTTPS
  4. 煩わしいインタースティシャルがない

海外の調査によると、それぞれの対応状況は以下のような結果だったそうです。

※ 別々な調査であるのと、サンプルデータである点にはご注意ください

  • モバイルフレンドリー:90%
  • HTTPS:70% 以上
  • Core Web Vitals(3 項目とも合格ライン):30%

ここから言えるのは、Core Web Vitals へのサイト運営者の対応はまだまだ途上であるということですね。

コガンさんも上記を受けて、焦らず対策を進めれば良いのではと優しく語ってくれていました。

なお、こうした調査データ自体に興味がある場合は、HTTP Archive の年次報告書ダッシュボードも参考になると思います。


Core Web Vitals への対応を進めるにあたって

コガンさんからのアドバイスは、以下の 3 つでした。

  1. 流入が多いページを優先
  2. ページ表示速度を忘れずに
  3. 新しい指標が追加されることも意識する

特に 2 つ目と 3 つ目は見落としがちだと思うので大事ですね。

セッションの中では、ページ表示速度が悪化したことで悪影響が出る事例も紹介されていました。

Core Web Vitals はページ表示速度が早ければ解決できる部分も多いですが、必ずしも速度だけの指標ではありません。(特に CLS など)

新しい指標が追加された際も、どこの何を測るものなのか意識しないといけないですが、複雑な領域なので、エンジニアと協力しながら進めるのが安全です。

SEO 担当者として、まずは以下の動画で解説されているレベルの内容を把握できていると良いですね。

また、対応の優先順位にも注意が必要だと、コガンさんのセッションで触れられていました。

ページ エクスペリエンス シグナルは、ページのコンテンツよりも検索順位への影響度が低いにも関わらず、他の施策より優先している状況が海外の SEO 担当者でもあったようです。


質問:Core Web Vitals の改善に取り組んだことはありますか?

質問:Google からのブログ投稿に基づいて、(サイトまたはその他の方法で)重要な変更を加えましたか?

インハウス SEO 担当者として施策の優先順位を決める際には、影響範囲と想定効果や難易度の組み合わせで考えるように心がけたいと、改めて感じたスライドでした。


施策事例

今回のイベントでは、SMX Advanced と MozCon Virtual で 70 を超えるセッションのうち、12 のセッションからコガンさんがトピックを選定してくれました。

その中でも有用な施策の事例をまとめて紹介してくれたのが、このパートです。

具体的な内容は参加者限定とさせていただきますが、以下のような構成でした。

  1. 検索結果でのクリック改善
  2. コンテンツ リライトのステップ
  3. 絞り込みナビの対応(クロール制御)
  4. B2B サイトの CRO 施策

このうち、1 つ目のトピックに関しては事例のベースになった考え方の記事が Moz で公開されているので、代わりに紹介します。

→ 3 Vital Click-Based Signals for SEO: First, Long, & Last

Google によるタイトル生成方法の変更が話題になっている最中ですが、タイトルは検索結果で最も目立つので、良くも悪くも影響が大きい箇所ですよね。


Q&A とネットワーキング

Q&A では、E-A-T 関連や施策事例についての質問が多く、コガンさんが丁寧に回答してくれました。

実は今回の ISM Virtual 2021 では、オンラインでのネットワーキングを実現するために Zoom のブレイクアウト セッション機能を利用して、以下のトーク部屋を用意していました。

  1. コガンさんと話そう部屋
  2. SEO ビギナー部屋
  3. フリーテーマ部屋

やはり皆さん Q&A でもっと聞きたかった質問や、追加で話したいことがあったのか、コガンさんの部屋が一番人気ではありましたが、各部屋ごとに好きな話題で交流できたのは良い試みでした。

個人的に、ISM のリアルイベントに参加者として通っていた頃も、セッション本編と同じくらいネットワーキングが楽しみだったので、参加された皆さまにも楽しんでいただけていたら幸いです。


アフタートーク

諸般の事情により、別日での開催となったアフタートークは Clubhouse にてクローズド開催しました。

10 名近くの方に参加いただき、コガンさんへの質問を中心に我々 ISM 実行委員も少しコメントしたり、あるいは参加者どうしでの情報交換が行われたりと、とても親密な場になりました。

特に盛り上がったのは「A と B の状況があった場合に、どちらのほうが良いか?」というような検索アルゴリズムに関する話題です。

どう変化するか読めない部分もある検索アルゴリズムなので、解釈の余地が無いぐらい色々な指標で良い状態を作れているのが理想ではありますが、それがなかなか難しいという部分が SEO 担当者として永遠のテーマだなと改めて感じました。

アフタートークに参加していて思い出したのは、オフラインのセミナー後に講師と名刺交換をしながら追加の質問をする時間とその待ち行列です。

これもオンラインイベントでは久しく体験していなかったですが、今回のアフタートークでは補完できつつ、全員同時に会話に参加できている点でむしろ進化しているので良い試みだったと感じました。


ISM 香味泡

ここで急にお知らせになってしまいますが、In-house SEO Meetup では ISM 香味泡(こうみあわ)というトークイベントを毎週金曜の 20:00 から開催しています。

最初に乾杯をしてからスタートし、前半は今週の検索やマーケ関連ニュースの振り返り、後半は参加者の皆さんと雑談という構成です。

ISM 香味泡ではインハウス SEO 担当者に限らずコンサル側の方も参加いただけるので、毎回多様な参加者と一緒に旬なトピックについて意見交換をしています。

実はコガンさんも ISM Virtual 2021 のアフタートークに備えて、練習として参加してくれた回があったりしました。

開催の告知は ISM の公式アカウントから行いますので、興味のある方はフォローしてみてください。

→ https://twitter.com/ismeetup

香味泡で紹介するニュースは ISM の公式アカウントがツイートやリツイートした内容からピックアップしていますが、トピックとして取り上げて欲しいネタがある場合は、Twitter のハッシュタグ #香味泡 に投稿していただければピックアップしていきたいと思います。


イベント全体を通して

このレポートで紹介したトピックで、恐らく全体で語られた内容の 40% ぐらいだと思いますが、とにかく内容が濃くて楽しいイベントになりました。

セッションと Q&A に加えて、ネットワーキングやアフタートークといった交流の場があったことも良かったです。

コロナ禍でリアルイベントが開催しにくい中、ISM らしさのあるオンラインイベントの形が見えてきた気がして感慨深いです。


ここで、イベント中のツイートを一部紹介させてもらいます。

前回の ISM Virtual に引き続き 2 年連続で登壇いただいたコガンさんには、この場を借りて改めて感謝します。

ISM Women で登壇いただいた江沢さんとの共著「いちばんやさしいスマートフォンSEOの教本」でも丁寧な解説が素敵でしたが、#AskGooglebot のような Google 公式動画の翻訳などのコラム執筆や、アユダンテ社の YouTube チャンネルでの活動など今後も楽しみに応援しています。

次回の In-house SEO Meetup も開催が決まりしだい FacebookTwitter で告知しますので、引き続きフォローをお願いします。

それでは、ごきげんよう!

0コメント

  • 1000 / 1000